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確認日:2026年10月13日(Instagramの仕様や制度は、この日に公式の情報で確かめました)
Instagram(インスタ)を使った副業を考えはじめたら、投稿のしかたより先に確かめておきたいのが、勤め先の決まりです。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、副業を希望する人に、まず自分が勤めている会社のルール(労働契約や就業規則など)を確かめるよう求めています。
この記事では、このガイドライン(令和4年7月改定)と、厚生労働省の「モデル就業規則」(令和7年12月版)をもとに、会社が副業を禁止・制限できる場合、届け出の確かめ方、働く時間と健康の考え方、公務員の決まりをまとめました。
就業規則の中身は会社ごとにちがうので、くわしくは勤め先の就業規則と、人事・総務などの担当の人に確かめてください。
※この記事は、Instagramの公式ヘルプや国・公的機関の資料をもとにまとめたもので、収入を約束するものではありません。アプリの画面や決まりは変わることがあるので、最新の情報は記事の最後にある公式ページで確かめてください。
3行でいうと
- 国のガイドラインは、副業を考える人に、まず勤め先の就業規則などのルールを確かめるよう求めています。
- モデル就業規則は、勤務時間外の副業を認めたうえで、仕事への支障・秘密の漏えい・名誉や信用・競業の4つの場合に、会社が禁止・制限できる形にしています。
- フリーランスなど労働基準法が適用されない形の副業は、労働時間の通算の対象外とされますが、働きすぎないよう、自分でも時間と体調を管理する必要があります。
この記事で話すこと
① 国の指針「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
厚生労働省は平成30年1月に、副業・兼業で企業や働く人がいまの法令のもとで気をつけることをまとめたガイドラインを作り、令和2年9月と令和4年7月に改定しました(確認日の時点の版は「令和4年7月8日改定版」)。
ガイドラインによると、裁判例では、労働時間以外の時間をどう使うかは基本的に働く人の自由とされています。そのうえで企業に「原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当である」とし、副業・兼業の相談や自己申告を理由に不利益な取り扱いをすることはできないとしています。
ただし、これは国の考え方です。ガイドライン自体も、副業・兼業を禁止したり一律に許可制にしたりしている企業があることを前提にしています。働く人には、次のような点を意識する必要があるとしています。
- 就業時間が長くなるおそれがあるので、自分でも就業時間や健康をある程度管理すること
- 「職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務」を意識すること
秘密保持義務は会社の業務上の秘密を守る義務、競業避止義務は勤めている間、会社と競合する仕事をしない義務と説明されています。
② モデル就業規則の副業・兼業の規定
就業規則は、労働時間や賃金、服務規律(働くときに守ること)など、労働条件の基準を定めたものです。常時10人以上の従業員を使う会社は、就業規則を作って労働基準監督署長に届け出なければなりません(労働基準法第89条)。
厚生労働省は、会社が就業規則を作るときの参考として「モデル就業規則」を出しています。平成30年1月の改定で、それまでの「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という決まりを削り、副業・兼業の規定を新しく設けました。令和7年12月版では、第70条が副業・兼業の規定です。
(副業・兼業)
第70条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合
(厚生労働省「モデル就業規則」令和7年12月版より)
第2項は、働く人からの届け出をもとに、4つの場合に会社が禁止・制限できるとしています。条文の解説では、ここでいう副業・兼業には、ほかの会社に雇われる形だけでなく、事業主となって行うものや、請負・委託・準委任契約で行うものも含むとしています。
ただし、モデル就業規則は規程の例で、解説も、就業規則の内容は事業場(会社の事務所や店舗など、働く場所)の実態に合ったものにする必要があるとしています。届け出でよいのか、許可が要るのかなど、実際の決まりは勤め先の就業規則で確かめましょう。
③ 会社が副業を禁止・制限できる4つの場合
ガイドラインは、裁判例で例外的に副業・兼業の禁止や制限が認められた場合として次の4つを挙げ、会社の対応の例も示しています。
| 禁止・制限できる場合 | ガイドラインにある会社の対応の例 |
|---|---|
| 労務提供上の支障がある場合 | 届け出のときに安全や健康への支障がないかを確かめ、始めたあとも報告などで状況をつかむ |
| 業務上の秘密が漏洩する場合 | 秘密にあたる情報の範囲や、漏らさないことを注意する |
| 競業により自社の利益が害される場合 | 禁止される競業の範囲や、会社の正当な利益を害さないことを注意する |
| 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合 | 届け出のときに、そのおそれがないかを確かめる |
どこまでが秘密や競業にあたるかは会社ごとにちがうので、迷ったら担当の人に聞きましょう。
④ 届け出・許可の確かめ方
労働基準法第106条は会社に、就業規則を作業場の見やすい場所に掲示したり、書面で渡したりするなどの方法で、働く人に知らせるよう求めています。まずは社内で就業規則の副業・兼業の条文を探しましょう。
ガイドラインは会社向けに、就業規則や労働契約に届出制を定め、届け出をもとに副業・兼業の有無や中身を確かめる方法の例を挙げています。また、副業・兼業を認めているかどうかと、条件つきならその条件を、会社のホームページなどで公表することが望ましいとしています。
| 確かめる場所 | 何を見るか | 出典 |
|---|---|---|
| 勤め先の就業規則・労働契約 | 副業・兼業の決まりがあるか。届け出か許可か。禁止・制限される場合 | 労働基準法第106条、ガイドライン |
| 人事・総務などの担当 | 届け出の様式と出し先、秘密や競業にあたる範囲 | ガイドライン |
| 厚生労働省の「副業・兼業」のページ | ガイドライン、モデル就業規則、届出様式例 | 厚生労働省 |
| 都道府県労働局・労働基準監督署 | ガイドラインについての分からない点 | 厚生労働省のリーフレット |
始める前に、次のことを確かめましょう。
- 就業規則(または労働契約)に、副業・兼業の決まりがあるかを確かめた
- 届け出か許可か、その出し方を担当の人に確かめた
- 仕事で知った情報を、投稿に使わないと決めた
- 勤め先と競い合う形の副業にならないかを確かめた
- 会社の名誉や信用を損なう発信にならないかを考えた
- 副業にかける時間と、本業への影響を考えた
副業で得たお金の税金の申告については「副業の確定申告|「20万円」の決まりと住民税」で説明します。
⑤ 働く時間と健康の考え方
労働基準法第38条第1項は、事業場がちがっても労働時間を通算(合計して数えること)すると定めています。ガイドラインによると、これには事業主(雇い主)がちがう場合も含むので、別の会社にも雇われて働くと、労働時間が通算される場合があります。
一方、労働基準法が適用されない場合(例:「フリーランス、独立、起業、共同経営、アドバイザー、コンサルタント、顧問、理事、監事等」)は、通算されません。それでも、会社が申告などで就業時間をつかみ、長時間にならないよう配慮することが望ましいとしています。なお、労働契約かどうかは実態に基づいて判断されます(モデル就業規則の解説)。
働く人も、過労で健康を害したり仕事に支障が出たりしないよう、自分で仕事の量やかける時間、健康状態を管理する必要があるとされています。厚生労働省は、本業と副業の労働時間や健康状態を自分で管理できるアプリ「マルチジョブ健康管理ツール」を作っています。
⑥ 公務員は別の決まり
国家公務員法は、承認を得た場合を除いて職員が自ら営利企業を営むことを禁じ(第103条)、報酬を得てほかの事業などに従事するには許可が要るとしています(第104条)。人事院は令和8年4月1日から、「職員の有する知識・技能をいかした事業」などの自営兼業を承認できるようにしました。人事院のQ&Aは、ブログや動画の配信で広告収入を得る事業を「自営」の形で行うことも「一概に否定されるものではありません」としつつ、承認の判断は慎重に行われるとしています。承認を得ずに自営兼業を行うと、懲戒処分の対象となり得るとも説明しています。地方公務員は、地方公務員法第38条で、一部の非常勤職員を除き、任命権者(職員を任命する立場の人)の許可がなければ自ら営利企業を営んだり、報酬を得て事業などに従事したりできません。総務省は令和7年6月11日の通知で、各地方公共団体に許可基準の設定と公表を求めています。くわしくは所属先の人事の担当に確かめてください。
さいごに
インスタ副業を始める前に、勤め先の就業規則や労働契約で副業・兼業の決まりを確かめ、届け出や許可の手続きを済ませておきましょう。国のガイドラインやモデル就業規則は目安で、実際の決まりは会社ごとにちがいます。始めたあとも、時間と体調に気を配りましょう。
確かめた公式の情報(2026年10月13日)
- 厚生労働省「副業・兼業」
- 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン(令和4年7月8日改定版)」(PDF)
- 厚生労働省「「副業・兼業の促進に関するガイドライン」リーフレット(労働者の方向け)」(PDF)
- 厚生労働省「モデル就業規則について」
- 厚生労働省「モデル就業規則(令和7年12月版)」(PDF)
- e-Gov法令検索「労働基準法」
- e-Gov法令検索「国家公務員法」
- e-Gov法令検索「地方公務員法」
- 人事院「自営兼業制度の見直しについて」(令和7年12月19日)
- 人事院「自営兼業制度の見直しに関するQ&A」(PDF)
- 総務省「営利企業への従事等に係る任命権者の許可等に関する留意事項について(通知)」(令和7年6月11日、PDF)
