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確認日:2026年10月13日(Instagramの仕様や制度は、この日に公式の情報で確かめました)
Instagram(インスタ)の副業で紹介料などを受け取るようになったら、早めに始めたいのがお金の記録です。確定申告や住民税の申告が必要かどうかも、1年間の収入と経費が分からないと確かめられません。
この記事では、国税庁のタックスアンサー(よくある税の質問)と電子帳簿保存法の一問一答をもとに、帳簿に書くこと、書類を残す期間、必要経費の考え方、メールやネットで受け取った書類の保存をまとめました。何が経費になるかなど、くわしい判断は税務署で確かめてください。
※この記事は、Instagramの公式ヘルプや国・公的機関の資料をもとにまとめたもので、収入を約束するものではありません。アプリの画面や決まりは変わることがあるので、最新の情報は記事の最後にある公式ページで確かめてください。
3行でいうと
- 1年間の所得を正しく計算するには、日々の収入と経費を記録し、受け取った書類を保存しておく必要があります(国税庁)。
- 私生活と兼ねる費用(家事関連費)のうち必要経費になるのは、業務に直接必要だったと明らかに区分できる部分だけです。
- メールなどで受け取った請求書・領収書のデータは、保存義務がある人は電子データのまま保存します。
① お金の記録が必要になる理由
国税庁は、1年間(1月1日から12月31日まで)の所得を正しく計算して申告するには、収入や必要経費に関する日々の取引を記帳し、取引で作ったり受け取ったりした書類を保存しておく必要があると説明しています。
副業の所得は「収入-必要経費」で計算します。会社員の場合は、その金額によって確定申告が必要かどうかが変わり、住民税の申告が必要になることもあります。くわしくは「副業の確定申告|「20万円」の決まりと住民税」で説明しています。また、国税庁の通達は、取引を記録した帳簿書類を保存していない場合は、例外を除いて「業務に係る雑所得」(副業の収入のうち営利を目的とした継続的なものにかかる雑所得)にあたるとしています。記録は、所得の区分にもかかわります。
② 帳簿に書くことと、書類を残す期間
国税庁のタックスアンサー「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」(No.2080。青色申告者ではない人のための説明です)によると、記帳(帳簿をつけること)が必要なのは、不動産所得、事業所得、山林所得のある人です。このページの記帳の対象に、雑所得は書かれていません。帳簿には、売上げなどの収入金額と、仕入れや経費について、取引の年月日、相手の名前、金額、日々の売上げ・経費の金額などを書きます。一つ一つの取引ごとではなく、日々の合計金額だけをまとめて書くなど、簡易な方法でもよいとされています。
不動産所得、事業所得、山林所得のある人の保存期間は、収入や必要経費を書いた帳簿が7年、業務に関して作ったり受け取ったりした請求書・納品書・領収書などの書類が5年です。
業務に係る雑所得の人は、令和4年分以後、前々年の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超えると、現金預金取引等関係書類(現金や預金の出し入れのときに作ったり受け取ったりした請求書・領収書など)を5年間保存する必要があります。前々年の業務に係る雑所得の収入金額が1,000万円を超える人が確定申告書を出すときは、収支内訳書(収入や必要経費の内容を書いた書類)などの添付も必要です。
| 記録するもの | 例 | 出典 |
|---|---|---|
| 収入 | 受け取った日、払ってくれた相手の名前、金額 | 国税庁 No.2080 |
| 経費 | 支払った日、支払先、金額(私生活と兼ねる支出は、仕事の分を区分できる記録も) | 国税庁 No.2080・No.2210 |
| 受け取った書類 | 紙の請求書・納品書・領収書など | 国税庁 No.2080 |
| 自分が出した書類 | 自分で作った請求書・領収書などの写し | 国税庁 No.2080 |
| 電子データで受け取った取引情報 | メールで届いたPDFの請求書・領収書、ホームページからダウンロードした領収書などのデータ | 国税庁 電子帳簿保存法一問一答 |
③ 必要経費の考え方
国税庁によると、事業所得や雑所得の計算で必要経費にできるのは、次の金額です。
- 総収入金額に対応する売上原価や、その総収入金額を得るために直接かかった費用
- その年に生じた販売費、一般管理費その他の業務上の費用
必要経費にするのは、その年に債務(支払う義務)が確定した金額です(減価償却費=長く使う物の代金を何年かに分けて経費にするものなど、債務の確定によらない費用もあります)。その年に払っても債務が確定していないものはその年の経費にならず、逆に払っていなくても、その年に債務が確定しているものはその年の経費になります。
ただし、業務に係る雑所得で、前々年分の収入金額が300万円以下の人は、確定申告書に特例を受ける旨を書けば、その年に収入した金額と、その年に支出した費用で計算できます(現金主義の特例。No.1500)。
気をつけたいのが、私生活と仕事の両方にかかわる支出です。国税庁は、一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわりがある費用を「家事関連費」と呼び、例として店舗と住まいを兼ねた建物の家賃や水道光熱費などを挙げています。
家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などにもとづいて、業務を行ううえで直接必要だったことが明らかに区分できる部分だけです(国税庁 No.2210)。
No.2210は事業所得・不動産所得・雑所得の計算を対象にした説明なので、副業でも、私生活と兼ねて使うものの費用は、この考え方が基本になります。仕事の分を区分できるよう、何のためにどれだけ使ったかを記録しておきましょう。区分のしかたに迷うときは、税務署に確かめてください。なお、所得税や住民税、罰金などは必要経費になりません。
④ メールやネットで受け取った書類の保存
請求書や領収書を、紙ではなく電子データで受け取ることもあります。電子帳簿保存法は、所得税の保存義務者(法律で書類の保存が義務づけられている人)が、取引情報(注文書や領収書などに通常書かれる事項)を電子データでやりとりする取引(電子取引)をした場合、その取引情報を電子データで保存しなければならないと定めています。国税庁の一問一答は、例えば次のようなものを電子取引にあたるとしています。
- 電子メールで受け取った請求書や領収書などのデータ(PDFファイルなど)
- インターネットのホームページからダウンロードした請求書や領収書などのデータ
一問一答は、給与のほかに副業の講演・原稿執筆による雑所得がある人の例で、前々年の収入金額が300万円を超えて現金預金取引等関係書類の保存義務がある場合は、電子で受け取ったデータを保存する必要があると答えています。
保存のしかたについて、国税庁のパンフレット(令和6年1月以降の電子取引データの保存方法)は、原則として次の3つを挙げています。
- 改ざん(データを勝手に書きかえること)を防ぐための措置をとる(訂正・削除の履歴が残るシステムで受け取り・保存する、改ざん防止のための事務処理規程(データの扱い方を決めた社内のきまり)を作って運用する、など)
- 保存したデータを確かめるためのディスプレイやプリンタなどを備え付ける
- 「日付・金額・取引先」で検索できるようにする
検索は、表計算ソフトで索引簿(データの一覧表)を作る方法や、日付・金額・取引先の順に規則的なファイル名を付けて決まったフォルダにまとめる方法でもよいとされています。基準期間(2年前)の売上高が5,000万円以下の人などは、税務調査(税務署の職員が帳簿や書類を確かめること)の際にデータのダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、検索の要件は不要です。原則のルールにまだ対応できない場合でも、税務署長が相当の理由があると認め、税務調査の際にデータのダウンロードや印刷した書面の提示に応じられるようにしていれば、データを保存しておくだけでよいとする猶予措置(対応を待ってもらえる特例)もあります。
⑤ 記録をつけるときのチェックリスト
ここまでの話をもとに、記録のつけ方を確かめましょう。
- 副業のお金を記録する場所(ノート、表計算ソフト、会計ソフトなど)を1つに決めた
- 収入は、受け取った日・相手・金額を書いている
- 経費は、支払った日・支払先・金額を書いている
- 紙の請求書や領収書を、年ごとにまとめて保存している
- 私生活と兼ねる支出は、仕事の分を区分できる記録を残している
- メールやダウンロードで受け取った請求書・領収書のデータを、消さずに保存している
- データを「日付・金額・取引先」で探せるようにしている(ファイル名に入れる、一覧表を作る、など)
- 1年分(1月〜12月)の収入と経費の合計を出せるようにしている
何が経費になるか、どの所得にあたるかで迷うときは、国税庁のタックスアンサーや税務署で確かめてください。
さいごに
副業のお金の記録は、確定申告や住民税の申告が必要かどうかを確かめるための土台です。収入と経費を日付・相手・金額とともに書き、紙の書類も電子データも消さずに残しておきましょう。私生活と兼ねる費用は、仕事の分を区分できる記録があることが前提です。迷うことは、早めに税務署で確かめてください。
確かめた公式の情報(2026年10月13日)
- 国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」
- 国税庁「No.1500 雑所得」
- 国税庁「No.2210 必要経費の知識」
- 国税庁「所得税基本通達 第35条関係(雑所得)」
- 国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」
- 国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和8年7月、PDF)
- 国税庁「電子帳簿保存法対応!令和6年1月以降の電子取引データの保存方法について」(令和6年11月、PDF)
