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確認日:2026年10月13日(Instagramの仕様や制度は、この日に公式の情報で確かめました)
インスタ副業について調べていると、SNSの広告から説明会や面談に誘われ、副業のスクールやコンサル(個別の指導)の契約を勧められることがあります。国民生活センターは2026年9月16日、AI講座やSNS運用講座などのビジネス講座についての相談が増えているとして、注意を呼びかけました。
この記事では、特定商取引法(訪問販売や電話勧誘販売などのルールを決めた法律)の条文と、消費者庁の「特定商取引法ガイド」、国民生活センターの説明をもとに、クーリング・オフ(決められた期間なら理由なしに契約をやめられる制度)ができる取引と期間、契約前に確かめることをまとめました。自分の契約にあてはまるかどうかは、消費生活センターに相談してください。
※この記事は、Instagramの公式ヘルプや国・公的機関の資料をもとにまとめたもので、収入を約束するものではありません。アプリの画面や決まりは変わることがあるので、最新の情報は記事の最後にある公式ページで確かめてください。
3行でいうと
- クーリング・オフの期間は、訪問販売・電話勧誘販売が8日間、業務提供誘引販売取引が20日間で、法律で決められた書面を受け取った日から数えます。取引の条件によっては、できない場合もあります。
- 消費者庁は、Web会議ツールでの勧誘も「電話勧誘販売」にあたる場合があると説明しています。通信販売には、クーリング・オフはありません。
- うそを言われて契約したときなどは、取り消せる場合があります。迷ったら消費者ホットライン「188」に相談しましょう。
この記事で話すこと
① ビジネス講座の相談が増えている
国民生活センターによると、ビジネス講座についての相談は、2020年度が1,169件、2025年度が3,551件(全国の消費生活センターの相談を集めた「PIO-NET」に、2026年7月31日までに登録された件数)と、増える傾向にあります。以前は、SNS広告をきっかけに通信販売で契約した相談が多かったのですが、近年は、SNS広告で知った事業者からWeb会議サービスなどで勧誘を受けて契約した相談が見られ、特定商取引法の電話勧誘販売にあたる場合があるとしています。電話勧誘販売の契約は、通信販売とくらべて金額が高くなる傾向があります。
報告書には、最初は「副業の紹介」「面接」「交流会」などと説明されていたのに、実際には高額なビジネス講座を勧められた例があります。副業の面接に応募したら講座の契約になっていて、キャンセルを伝えると「事業者間契約だから解約はできない」と言われた事例もあります。
② クーリング・オフができる取引と期間
特定商取引法のクーリング・オフは、取引の種類ごとに期間が決まっています。期間は、法律で決められた書面を受け取った日から数えます。ただし、表の取引にあてはまっても、条件によってはクーリング・オフできない場合があります。
| 取引の種類 | どんな取引か | クーリング・オフ | 出典 |
|---|---|---|---|
| 訪問販売 | 自宅など、店以外の場所での契約。SNSなどで販売目的を明らかにせずに呼び出して契約させる場合(アポイントメントセールス)も含む | 8日以内(第9条) | 消費者庁、e-Gov |
| 電話勧誘販売 | 事業者が電話をかけたり、決められた方法で電話をかけさせたりして勧誘し、契約する | 8日以内(第24条) | 消費者庁、e-Gov |
| 業務提供誘引販売取引 | 「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で誘い、仕事に必要だとして商品などを売る | 20日以内(第58条) | 消費者庁、e-Gov |
| 連鎖販売取引 | 個人を販売員として勧誘し、さらにその人に次の販売員を勧誘させて、販売の組織を広げる取引 | 20日以内(第40条)。商品の引渡しのほうがあとなら、その日から数える | 消費者庁、e-Gov |
| 通信販売 | 広告を見て、自分からネットなどで申し込む | クーリング・オフはない | 国民生活センター |
表には、この記事に関係する取引だけを載せました。ほかにも、エステティックや語学教室などの特定継続的役務提供(8日間)のように、クーリング・オフができる取引があります。
書面は、たとえば業務提供誘引販売取引では、契約の前に概要を書いた書面を、契約のあとに契約の内容を書いた書面を渡すことが事業者に義務づけられています。相手の承諾を得れば、書面のかわりに電磁的方法(電子メールなど)で渡すこともできます(第55条)。
2022年6月1日からは、はがきなどの書面のほか、電子メールなどの電磁的記録でもクーリング・オフの通知ができるようになりました。通知は、出した時に効力が生じます。事業者がクーリング・オフについて事実とちがうことを言ったり、おどしたりして、消費者がクーリング・オフをしなかった場合は、期間を過ぎていてもできます。書面の内容に不備があるときも、期間を過ぎてもできる場合があります。
③ Web会議で勧誘されたときと「事業者間契約」と言われたとき
消費者庁の「電話勧誘販売の解釈に関するQ&A」には、SNSで事業者とやり取りしたあと、Web会議ツールでのオンラインミーティングで別の情報商材(副業のやり方などの情報を売る商品)を勧められて買った、という例があります。消費者庁は、インターネット回線を使って通話する形式(映像があるものも含む)も「電話」にあたり、事業者がURLを送った場合は「電話をかけ」にあたると説明しています。もともと相談のつもりで頼み、その契約のために電話をかける意思をはっきり示していなかった場合などは、電話勧誘販売の決まりが当てはまり、クーリング・オフの規定が適用されると考えられる、としています(想定される事例の考え方を示したものです)。
国民生活センターも、Web会議や電話のやり取りの中で有料の講座を勧められて契約した場合や、「この講座を受ければ仕事を提供するので収入が得られる」などと勧誘されて契約した場合は、クーリング・オフの対象となる場合があるとしています。これらの場合に、法律で決められた契約書面が渡されていないときも、クーリング・オフが可能とされています。
「事業者間契約だから」と言われた事例(①)があります。関係しそうな決まりを見てみます。特定商取引法は、営業のために結ぶ契約などを、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売の決まりから外しています(第26条)。ただ、国民生活センターは、ビジネス講座の契約でも、契約の時点で実際に事業をしていない場合など、実態として「消費者」にあたる場合は、クーリング・オフができる場合があるとしています。
④ 通信販売の返品と、契約の取り消し
広告を見て自分からネットで申し込む通信販売には、クーリング・オフはありません。返品の特約(決まり)があればそれに従います。特約がない場合、商品を受け取った日から数えて8日以内なら、送料を自分で負担して返品できます。この返品のルール(第15条の3)の条文は、商品や権利の売買契約についての決まりです。講座のような契約では、申し込む前に解約や返金の条件を確かめることが大切です。
クーリング・オフの期間が過ぎても、取り消せる場合があります。消費者契約法は、事業者が大事なことについて事実とちがうことを言ったり、将来の受け取る金額のように確かではないことを断定して言ったりして、消費者が誤って契約したときは、取り消せるとしています。取り消しは、追認(契約をそのまま認めること)ができる時から1年、または契約から5年たつと、できなくなります(第7条)。国民生活センターは、不当な解約料のように消費者に一方的に不利な条項は、消費者契約法の規定で無効になる場合もあるとしています。
⑤ 契約前のチェックリストと相談先
国民生活センターの注意喚起をもとに、契約する前に確かめることをまとめました。借金をすすめる手口は「怪しい副業の見分け方|国民生活センターの注意喚起から」で説明します。
- 説明会や面談が、講座などの勧誘だと前もって知らされていた
- 「今日契約すれば特典がある」と急かされても、その場で決めなかった
- 月々の支払額だけでなく、支払う総額を確かめた
- 解約の方法、解約料、返金の条件を確かめた
- カリキュラムや講義の形式など、講座の中身を具体的に確かめた
- 「すぐに元が取れる」「収入で支払える」といった説明を、うのみにしていない
- 契約書面を受け取り、クーリング・オフの記載を読んだ
クーリング・オフの通知は自分でできますが、できる取引か分からないときや、書き方が分からないときは、消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話すると、近くの消費生活センターなどを案内してもらえます。送った記録や関係する書類は、少なくとも5年間とっておきましょう。
さいごに
副業のスクールやコンサルの契約は、どんな方法で勧誘されて契約したかによって、使える決まりが変わります。Web会議で勧められた契約や、仕事を提供すると誘われた契約は、クーリング・オフができる場合があります。その場で決めず、総額と解約の条件を確かめ、困ったときは早めに「188」に相談しましょう。
確かめた公式の情報(2026年10月13日)
- 国民生活センター「ビジネス講座のトラブルにご注意-広告・勧誘と実際の講座内容が異なる、Web会議での思わぬ勧誘に気をつけましょう-」(2026年9月16日)
- 国民生活センター「報告書本文」(2026年9月16日、PDF)
- 国民生活センター「クーリング・オフ」
- 消費者庁「訪問販売|特定商取引法ガイド」
- 消費者庁「電話勧誘販売|特定商取引法ガイド」
- 消費者庁「業務提供誘引販売取引|特定商取引法ガイド」
- 消費者庁「連鎖販売取引|特定商取引法ガイド」
- 消費者庁「通信販売|特定商取引法ガイド」
- 消費者庁「電話勧誘販売の解釈に関するQ&A|特定商取引法ガイド」
- e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」(昭和五十一年法律第五十七号)
- 消費者庁「消費者契約法」
- e-Gov法令検索「消費者契約法」(平成十二年法律第六十一号)
