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確認日:2026年10月13日(Instagramの仕様や制度は、この日に公式の情報で確かめました)
化粧品や、サプリメントなどの健康食品をInstagram(インスタ)で紹介するときは、効き目をうたう書き方に法律の細かい決まりがあります。売っている企業だけでなく、広告にあたる投稿をする人にもかかわります。
この記事では、厚生労働省・消費者庁・東京都の資料をもとに、薬機法と健康増進法の決まりをまとめました。商品の効き目そのものは書きません。言ってはいけない表現の例は、資料の言葉どおりに「」で引用します。
※この記事は、Instagramの公式ヘルプや国・公的機関の資料をもとにまとめたもので、収入を約束するものではありません。アプリの画面や決まりは変わることがあるので、最新の情報は記事の最後にある公式ページで確かめてください。
3行でいうと
- 薬機法の誇大広告の禁止は「何人も」が対象で、東京都は、広告を行ったアフィリエイターなども含むと説明しています。
- 化粧品の広告で言える効能は、国が決めた56の範囲までです。東京都は「老化防止」などを範囲外としています。
- 健康食品で病気の治療や予防などの効果をうたうと医薬品とみなされ、原則として承認なしには広告できません。健康増進法の誇大表示の禁止も「何人も」が対象です。
この記事で話すこと
① 紹介の投稿も「広告」になり得る
厚生労働省のページに載っている国の通知(平成10年)は、次の3つをすべて満たすものを、薬機法(正式な名前は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)の広告と判断するとしています。
- 顧客を誘引する(買いたい気持ちを高める)意図が明確であること
- 特定の商品名が明らかにされていること
- 一般の人が知ることができる状態であること
また、国の「医薬品等適正広告基準」は、新聞やテレビだけでなく、ウェブサイトやSNSを含む「すべての媒体」の広告を対象にしています。SNSの投稿も、上の3つを満たして広告にあたれば、この基準の対象に入ります。
② 薬機法の広告の決まりは「何人も」
薬機法第66条は「何人も」、医薬品、医薬部外品(薬機法で、医薬品とも化粧品とも別に決められた区分)、化粧品などの名称、製造方法、効能、効果、性能について、明示的か暗示的かを問わず、虚偽や誇大な記事を広告してはならないと定めています。医師などが効き目を保証したと誤解されるおそれのある記事も、これにあたります。第68条は、承認を受けていない医薬品などの効能や効果を広告することを「何人も」禁じています。
東京都の講習会の資料は、「何人も」は製造業者や販売業者に限らず、その広告を行った新聞社、雑誌社、インターネット媒体社、アフィリエイター等の広告媒体事業者等も含むと説明しています。第66条第1項や第68条に違反した者は、2年以下の拘禁刑か200万円以下の罰金(または両方)の対象になります(第85条)。
③ 化粧品の広告で言える範囲
化粧品は、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増すなどのために使われ、「人体に対する作用が緩和なもの」です(薬機法第2条)。広告で言える効能は、厚生労働省の通知(平成23年7月21日)が定める56の範囲までです。例えば「肌のキメを整える。」「皮膚にうるおいを与える。」「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。」などです。「乾燥による小ジワを目立たなくする。」は、決められた試験などで効果を確かめた場合に限られます。また、「(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)」のように、かっこで使い方や商品が限られている効能は、その「しばり表現」を省略せずに書くことになっています。
一方、「化粧くずれを防ぐ」「小じわを目立たなく見せる」のようなメーキャップ効果や、「清涼感を与える」のような使用感は、事実に反しない限り表現できます。化粧品は、そのほとんどが薬理作用で効能が認められたものではないため、56の範囲以外の薬理作用による効能は表現できません。
体験談にも注意が必要です。基準の解説は、愛用者の感謝の言葉や体験談のような広告は「客観的裏付けとはなりえず」、効き目や安全性を誤解させるおそれがあるとして、次の場合を除いて行ってはならないとしています。除かれるのは、①目薬、外皮用剤、化粧品などの広告で使用感を説明する場合と、②タレントが単に製品の説明や呈示を行う場合です。いずれも過度な表現や保証的な表現にならないよう注意が必要で、①でも使用感だけを特に強調する広告は行わないこととされています。
④ 健康食品の決まり(健康増進法と機能性表示食品)
健康食品の広告には、景品表示法(うそや大げさな表示を取りしまる法律)と健康増進法がかかわります。消費者庁の留意事項によると、景品表示法で措置を受けるのは商品を供給する事業者で、アフィリエイターは通常あたりません。一方、健康増進法第65条は「何人も」、食品として売る物の広告などで、健康の保持増進の効果などについて、著しく事実に相違する表示や、著しく人を誤認させる表示をしてはならないと定めています。アフィリエイターも、表示の内容の決定に関与している場合は、この法律の措置を受けるべき者に該当し得ます。
さらに、消費者庁の留意事項は、「疾病の治療又は予防を目的とする効果」や「身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果」のような医薬品的な効果をうたうものは、医薬品とみなされるとしています。そのうえで、野菜や果物のように外観などから明らかに食品と分かる物を除き、原則として、承認を受けずに広告することはできません(薬機法第68条)。東京都の資料には、2021年(令和3年)3月17日に、アフィリエイターが第68条違反で書類送検(警察が事件の書類を検察に送ること)された事例が載っています。
機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示できる制度です。国が審査をするトクホ(特定保健用食品)とは違います。届け出た内容は消費者庁のウェブサイトで確認でき、届け出た表示の内容を超える表示は、虚偽誇大表示などにあたるおそれがあります。
消費者庁は、インターネットの監視も続けています。2026年(令和8年)4月から6月の監視では、117事業者による126商品の表示に健康増進法違反のおそれのある文言などがあり、改善指導をしました。
⑤ 言ってはいけない表現の例と、紹介する前のチェックリスト
国や東京都の資料が挙げている例の一部です(資料の言葉どおり)。
| 言ってはいけない例 | 決まり | 出典 |
|---|---|---|
| 「最高のききめ」「無類のききめ」 | 効能効果や安全性について、最大級の表現をしてはならない | 厚生労働省(適正広告基準の解説) |
| 「安全性は確認済み」「副作用の心配はない」 | 効能効果や安全性を保証するような表現は認められない | 厚生労働省(同上) |
| 「肌の活性化」「肌細胞の再生力を高める」「10年前のお肌に」 | 「老化防止」「若返り効果」は化粧品の効能の範囲を逸脱する | 東京都(講習会資料) |
| 「皮膚科医〇〇先生も大注目!」 | 医薬関係者などが推せんしている等の広告をしてはならない | 東京都(講習会資料)・厚生労働省(適正広告基準) |
| 「便秘改善」「花粉症に効果あり」「疲労回復」「免疫力を高める」 | 医薬品的な効能効果にあたり、承認を受けない限り表示できない | 消費者庁(留意事項) |
| 届出表示が「…血中コレステロールを低下させる機能があることが報告されています。」なのに「コレステロールを下げる」とする | 機能性表示食品で、届出の内容を超える表示 | 消費者庁(留意事項) |
- 商品が化粧品・医薬部外品・医薬品・食品のどれか、パッケージの表示で確かめた
- 化粧品なら、効能の言葉は56の範囲か、メーキャップ効果・使用感の説明にとどめた
- 病気の治療や予防をうたう表現や、「老化防止」「若返り効果」のような表現をしていない
- 使用前・使用後の写真で、効き目を保証するように見せていない
- 医師などが勧めている、と書いていない
- 機能性表示食品なら、届出の表示を省いたり言いかえたりしていない
- 企業から頼まれた投稿なら、広告と分かる表示もした
企業から頼まれた投稿の表示は「ステマ規制とは|インスタのPR表記の書き方」で説明します。
さいごに
化粧品と健康食品の広告の決まりは、売る企業だけでなく、広告にあたる投稿をする人にもかかわります。効き目を自分の言葉で言い足さず、化粧品なら効能の範囲、機能性表示食品なら届出の表示の範囲にとどめるのが、この記事の書き手のすすめです。資料は改正されることがあるので、紹介の前に下の公式ページで確かめてください。
確かめた公式の情報(2026年10月13日)
- 厚生労働省「医薬品等の広告規制について」
- 厚生労働省「薬事法における医薬品等の広告の該当性について」(PDF)
- 厚生労働省「医薬品等適正広告基準の改正について」(PDF)
- 厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」(PDF)
- e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
- e-Gov法令検索「健康増進法」
- 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(PDF)
- 消費者庁「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導について(令和8年4月~6月)」(PDF)
- 消費者庁「機能性表示食品について」
- 東京都保健医療局「令和7年度医薬品等広告講習会 資料(医薬品等)」(PDF)
- 東京都保健医療局「令和7年度医薬品等広告講習会 資料(健康食品)」(PDF)
