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確認日:2026年10月13日(Instagramの仕様や制度は、この日に公式の情報で確かめました)
広告なのに、広告であることを隠す。これが、いわゆる「ステルスマーケティング(ステマ)」です。2023年10月1日から、ステマは景品表示法(うそや大げさな表示を取りしまる法律)の違反になりました。企業から頼まれてInstagram(インスタ)に投稿するときにも関係します。
この記事では、消費者庁の告示・運用基準(告示をどう当てはめるかを消費者庁が示した文書)・Q&Aの言葉をもとに、規制の対象はだれか、どんな投稿が広告にあたるか、PR表記の分かりやすい書き方と分かりにくい書き方をまとめました。
※この記事は、Instagramの公式ヘルプや国・公的機関の資料をもとにまとめたもので、収入を約束するものではありません。アプリの画面や決まりは変わることがあるので、最新の情報は記事の最後にある公式ページで確かめてください。
3行でいうと
- 規制の対象は広告主(事業者)です。依頼を受けて投稿するインフルエンサーは、例外を除いて対象外とされています。
- 個別に投稿を頼まれて報酬を受け取る投稿は、広告にあたる可能性が高く、「広告」「PR」などと分かるように書くのが適当です。
- 大量のハッシュタグに埋もれさせる、気づきにくい末尾に書く、周りより小さい文字で書く、などは分かりにくい表示の例です。
この記事で話すこと
① ステマ規制とは
2023年(令和5年)3月28日に「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」という告示(内閣府告示第19号。国が決まりを広く知らせる文書)が出され、同じ年の10月1日から施行されました。事業者が自分の商品について行う表示なのに、一般消費者がそれを事業者の表示だと見分けにくいものを、景品表示法に基づく不当な表示として指定したものです。
消費者庁によると、消費者は企業の広告なら、ある程度の誇張が含まれていると考えて商品を選びます。広告だと分からないと、企業ではない第三者の感想だと思い、その内容をそのまま受け取ってしまうかもしれません。そのため、規制されるのは「広告であって、一般消費者が広告であることを分からないもの」です。
- 広告には、企業がインフルエンサー(SNSで多くの人に影響を与える人)などの第三者に依頼・指示するものも含まれる
- SNSの投稿やレビュー投稿だけでなく、テレビ、新聞、雑誌などの表示も対象
- 個人の感想などの広告でないものや、テレビCMのように広告と分かるものは対象外
② 規制の対象は広告主。インフルエンサーは?
消費者庁のQ&Aは、規制の対象を、表示の内容の決定に関与した事業者「いわゆる広告主」としています。そのうえで、広告主から依頼を受けてSNSへの投稿などを行うインフルエンサーやアフィリエイター(紹介料を受け取って商品を紹介する人)は「規制の対象外」としています。ただし、インフルエンサーなどが広告主と共同して商品を供給している例外的な場合は、対象になります。
違反があると、消費者庁は広告主に「措置命令」(行政処分。国が事業者に出す命令)を行います。違反のおそれがある段階でも「指導」(行政指導)があります。また、Q&Aは、施行より前に依頼を受けて行った投稿でも、施行後も表示されたまま広告と分からなければ、行政処分の対象となる可能性があるとし、広告主から古い投稿への「広告」などの記載を求められたインフルエンサーに、「広告主へのご協力をお願いいたします」と呼びかけています。
③ どんな投稿が「広告」にあたるか
運用基準によると、第三者の投稿が「事業者の表示」(広告)になるのは、事業者が表示の内容の決定に関与した場合です。例として、事業者が第三者のSNSに自社の商品について表示させる場合や、アフィリエイターに委託して表示させる場合が挙がっています。はっきり頼まれていなくても、やりとりの内容や対価、取引が続くかなどから、関与したとされる場合があります。一方、アフィリエイターの表示でも、広告主との間で表示についての情報のやり取りが直接的にも間接的にも一切ないなど、広告主による広告とは認められない実態なら、運用基準は「事業者の表示」とならない例に挙げています。Q&Aの例をまとめると、次のとおりです。
| 場面 | 消費者庁の考え方 |
|---|---|
| 企業から個別に投稿を頼まれ、報酬を受け取る(投稿の内容は指定されていない) | 「事業者の表示」に該当する可能性が高い。「Z社から依頼を受けて投稿しています」などと記載するのが適当 |
| 企業がインフルエンサーを選んで商品を無償で渡し、投稿を頼む | やりとりの内容や目的、取引関係などによっては「事業者の表示」に当たる |
| もともと愛用している商品を、企業からプレゼントされた | 当初から投稿するつもりだった場合まで「広告」「PR」の記載は要らない(ただし、個別の事情から自主的な意思による表示とは認められないと判断される場合もある)。提供を受けた商品の画像を載せるなら、提供を受けた旨を書くのは有益 |
| 以前に依頼を受けた会社の、別の商品を自分で買って投稿する | 自主的な意思による投稿なら「事業者の表示」に当たらない |
| 依頼ではなく、気に入った商品を自分の意思で投稿する | 「PR」等と記載する必要はない |
ASP(アフィリエイトの仲立ちをする会社)を使った紹介の決まりは「インスタでアフィリエイト|ASPごとのSNSの決まり(A8.net・もしも・Amazon・楽天)」で説明します。
④ 分かりやすいPR表記と、分かりにくい表記
運用基準は、「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といった言葉を使う方法や、「A社から商品の提供を受けて投稿している」のような文章で示す方法を、分かりやすい例として挙げています。ほかの言葉でも、表示内容全体から広告と分かれば認められます。逆に、これらの言葉を使っていても、全体から明らかでないと判断される場合があります。
| 表示のしかた | 判断 | 出典 |
|---|---|---|
| 「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」と書く。または「A社から商品の提供を受けて投稿している」と文章で書く | 分かりやすい例(ただし、全体から明らかでないと判断される場合もある) | 運用基準 |
| 大量のハッシュタグ(「#」を付けて話題を示す言葉)の中に、広告である旨をうずめる | 分かりにくい例 | 運用基準 |
| 見る人が気づきにくい表示の末尾の位置に書く | 分かりにくい例 | 運用基準 |
| 文章で書いても、長文、周りより小さい文字、他の文字より薄い色などで、見る人が気づきにくくなる | 分かりにくい例 | 運用基準 |
| 最初に「広告」と書き、文中で「第三者として感想を記載しています」とする | 分かりにくい例 | 運用基準 |
| 投稿の本文ではなく、ツリー(リプライ。投稿に続けて書く返信)にだけ書く | 明瞭とはいえない場合が多い | Q&A |
| 動画で、気づけないほど短い時間だけ出す。または冒頭にだけ出す | 短い時間は分かりにくい例。冒頭だけでも見逃すおそれがあり、画面に常に「広告」と出すなど、動画全体で分かるようにするのが望ましい | 運用基準・Q&A |
ハッシュタグの付け方は「ハッシュタグの付け方|公式が説明する数と選び方」で説明します。
⑤ 「タイアップ投稿」ラベルとの関係と、投稿前のチェックリスト
Instagramにも、企業から報酬(無料で提供された商品を含む)を受けた投稿に付ける「タイアップ投稿」ラベルがあります。こちらはInstagramの決まりで、アフィリエイトリンクを含む投稿にも付ける必要があります(付け方は「企業からの依頼(PR投稿)の受け方と「タイアップ投稿」の表示」)。景品表示法で「PR」などの記載が要らないとされる場合(③の表の愛用品の例など)でも、Instagramでは、無料で提供された商品を取り上げる投稿にこのラベルを使うことになっています。
景品表示法のほうは、広告と分かるかを表示内容全体から判断します。Instagramのラベルだけで足りるかを述べた消費者庁の資料は、確認できませんでした。運用基準は、見る人が気づきにくい末尾に書くことなどを、分かりにくい例に挙げています。そこで、「広告」「PR」などを目に入りやすい本文の最初のほうにも書くことを、書き手のすすめとして挙げます(「最初に書く」と決めた公式の決まりではありません)。
- この投稿は、企業から依頼や対価(お金・商品の提供)を受けたものか確かめた
- 本文の最初のほうに「広告」「PR」や「〇〇社から商品の提供を受けて投稿しています」と書いた(書き手のすすめ)
- 広告である旨を、ハッシュタグの列の中や、見つけにくい末尾にだけ書いていない
- 周りの文字より小さい文字や、薄い色の文字で書いていない
- 動画では、最初の一瞬だけでなく、見ている間に分かるようにした
- Instagramの「タイアップ投稿」ラベルも付けた
- 2023年10月1日より前に依頼を受けた投稿が残っているなら、広告と分かるか見直した
さいごに
ステマ規制の対象は広告主ですが、消費者庁のQ&Aは、個別に頼まれて報酬を受け取る投稿は「事業者の表示」に当たる可能性が高く、「Z社から依頼を受けて投稿しています」のような記載が適当だとしています。迷ったときは、消費者庁の運用基準とQ&Aを読み、依頼してきた企業とも書き方を確かめてください。
確かめた公式の情報(2026年10月13日)
- 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
- 消費者庁「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(令和5年内閣府告示第19号、PDF)
- 消費者庁「「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準」(PDF)
- 消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」
- Instagramヘルプセンター「Instagramのブランドコンテンツについて」
